ハイブリッドアッシュ

ハイブリッドアッシュ

アッシュという材はギターやベースに使用されるポピュラーな材料の一つです。
その中でもよく耳にするのが「ホワイトアッシュ」「スワンプアッシュ」「ライトアッシュ」の3種であり、よく耳にすると思います。しかし、実はこの3種とも全く同じ樹種なんですね。
最もよく使われるのは北米産のアッシュになるのですが、特にカナダ西海岸の湿地帯で育ったものをスワンプアッシュと言い、土地柄から生育が早く比較的軽量で軟らかいため、ライトアッシュに分類されます。
ホワイトアッシュは別名ヘヴィーアッシュとも言われ硬くて重いのが特徴で、云わばこれが広義に一般的なアッシュになります。
ギターやベースで使用されるアッシュは一般的にスワンプアッシュを含めライトアッシュであり、ホワイトアッシュでボディーを作ると総重量が4kgを軽く超えるとても重いギターとなってしまううえに、ギターの弦の振動エネルギーではボディーを鳴らしきるのが困難になってきます。
ベースとしてはその意味では問題ありませんが、ギターよりもボディーマスが大きいので更に重く、また低域と高域が強調されすぎて用途の狭い楽器となってしまいます。

さて、みなさんの中には「アッシュは嫌いだ」という方が多いと思います。特にギターでは「キンキンしすぎて耳障り」というのがその理由であると思います。
しかし、それはアッシュの本来の実力を知らないと言わざるを得ません。かく言う私も昔はそうでした。

スワンプアッシュ含めライトアッシュは本来中域成分も程良く持っていることが特徴です。しかしながら、ホワイトアッシュほどの高域や低域の力強さはありません。ただ、アルダーと比較すると高域はよく出ます。
つまり意外と中途半端に高域寄りであるのに、それを支える低域は圧倒的に足りない。だから軽くてキンキンしたトーンになりやすいのです。
また、アッシュはギターボディーに用いられる材の中で特に木取りの重要度がとても高い部類に入り、コストとにらめっこの量産品にはそもそも向かない材であることや、50年代にフェンダーで使われていたような良質な自生種のライトアッシュは今現在の計画植林の時代ではひじょうに入手困難であることも起因しています。

そこで、なんとかアッシュを使って納得出来るギターを作りたかった私は、ある時はたと閃いたのです。「せっかく同じ樹種で硬くて重いものと軽くて軟らかいものが存在するのだから、トップ材としてホワイトアッシュを、バック材としてスワンプアッシュ(ライトアッシュ)を用いるのはどうだろうか?元は同じ樹種なのだから基本特性は同じであるから上手くすれば両者の特性を引き出してミックスすることが出来るのではないか?」と…
ソリッドボディーにおけるトップ材とバック材の役割は、基本的には全く異なる特性の材を用いて主にバック材の特性にトップ材で補正や色付けをすることにありますから、同一樹種を貼り合わせるなんて馬鹿な事を考える者はまず居ません。だったらやってみようと…まあ試す前からこれはイケるという確信はありましたが。

そしてその確信は見事に的中することになります。
ホワイトアッシュの力強い低域と高域の間にスワンプアッシュ(ライトアッシュ)の程よい中域がミックスされ、ひじょうにワイドレンジで存在感もあり、コシも粘りも程よくあってソリッドギターとしてはある意味究極と言って良いと思えるほどサウンドメイクの拡張性に優れたバランスの良さを備えるに至りました。

また、ストラトタイプではこのハイブリッドアッシュボディーと板屋楓ネックのコンビネーションは特筆に値します。

ハイブリッドアッシュ 製作例

PRS レストア開始!!

PRSギターの一ファンとして、今までギター製作やレストアにおいて独自に培ってきたノウハウを惜しみなく継ぎ込み、PRSユーザーが手放すことを考えない、「さあギターを弾こう」と思い立った時にいつも真っ先に手にしているような、いつまでも弾いていたくなるような、そういうギターに仕上げようとPRSのレストアに踏み出すことにしました。