通称草ネック搭載ギター完成!!

何だかんだ言って自分用に作ったギターの全てが常連さんに持ってかれてしまって、自分用に特化したギターが1本も無い!ということで、合間合間に、オーダーのボディーを抜くときに一緒にボディーを抜き、オーダーギターのネックを作るときに一緒に加工し、ようやく完成しましたどーん!

草ネック勿論Feel!で。

まあこの画像だけでツッコミどころと言うか、どうなってんの?ではありましょうが、それは後ほど語るとして、とにかくネックですよネック!

まあ自分用ってことなので、かねてから構想していた竹を使ったネックの試作人柱に自らなろうと。まあ当然ちゃ当然なのですが。
で、竹ネックに檳榔子(びんろうじ)指板。檳榔子というのはつまり椰子の木。で、生物学上竹も椰子も草なんです。ですから「草ネック」。
そもそも草と樹木では組成が全く違います。まず草には年輪が無い。導管もない。一つの根から沢山生えてくる。
まあ、組成云々よりも竹ですよ。小学校低学年の工作の定番(今はどうか知りませんが)である割った竹で作る木琴やシシオドシで「良い響きが得られる素材」であろうと着目していたんです。
で、何かの調べものをしている時に「これだ!」という出会いがありまして、それがこちら。

竹竹の集成材です。
これを製造しているメーカによると「縦積層」ということで・・・

竹木口はこんな感じ。
つまり割った竹から節を落とし、縦に並べて接着して作っているわけです。並べる数を増やせばもっと幅広の板も作れる。
これの板状での最大厚を問い合わせたらギリギリネック材に使える厚みだったわけです。早速仕入れて一応寝かせておいたんですが、まあびくともしません。積層してるから当然ではありますが。

で、指板材の檳榔子はこんな感じ。

檳榔子ぱっと見、ウェンジに似てますね。色合いも良いし違和感が無い。
硬くて重くてこれ単体でも澄んだ良い響きなんですよ。ですので寸法の良い物があれば檳榔子でネックを作りたいですね。

で、ですね、まあこればっかりはネックに使うとどんな音響特性になるかなんてさっぱり見当もつかなかったわけです。ただ、「これはいける」という根拠の希薄な確信はありました。
で・・・

草ネックまあメイプルに見えなくも無い(笑)。

竹ネック指板の雰囲気も違和感ないですね。
まず見た目で敬遠されるほどの違和感はありません。少し離れて見ればメイプルネックにローズ指板です。これって結構良いところ押さえてるでしょ?見た目ってやっぱり重要な要素でもありますから。

さて、散々引っ張って「どんな音よ?」ってところですよね(笑)。
これがですね、物凄く良い意味において期待を裏切られました。
物凄く特殊な響きになるんじゃないかと思っていたんですよ。ところがですね、基本的にはメイプルネックのギターの延長線上にちゃんと居る。全く特殊じゃない。
ですが・・・

まず、アタックレスポンスは今まで使ってきた材のどれよりも最速。
そして強烈な振動エネルギーを発します。
このギター、ボディーはウォルナットです(トップに5mmのメイプルを貼ってますが)。重いうえに比較的柔らかい材ですのでギターではしっかり鳴らすことがほぼ不可能で、鈍重な響きになりかねない扱いづらい材です(だから狩猟用ライフルの銃床に使われる最高級材なんです。振動を吸収しやすいんですね)。
このハードルを余裕で飛び越えます。
ネックがボディーを強制振動させているかのようです。ここまで鳴ってるウォルナットボディーのギターなんて始めてです。と言うか、鳴らし切ったウォルナットボディーの響きすら初体験だったと言わざるを得ません。
どの弦の何フレットを弾こうが凹む帯域が無い。でも決して暴れない。
とにかくソリッドエレキとしては完全に限界を突破します。でも絶対にソリッドエレキの範疇から出て行こうとはしません。
右手指先、ピックの先から音が飛び出てくるような感覚。これは病みつきになります。
どんな良いギターでも響きとタッチの差異を都度脳内で変換して弾きます。つまりそれはギターを操る感覚。しかしこの草ネック搭載ギター、ギターと同化する感覚ですね。脳が指先を通してギターと直結する感覚とでも言いましょうか。
あえて言いましょう。これは新境地です。

草ネックで、このギターの機能面の話をしましょうか(笑)。
まず「なんぞこのトレモロユニットは?」でしょうね(笑)。
これはスタインバーガーライセンスのトレモロです。スプリングから何から、トレモロユニットの構成要素はこのユニット内で完結しています。ですからスプリングキャビティーも必要ありません。昔ギブソンのギターに付いてたような気がします(笑)。とうの昔にディスコンですので、自分のギターに使うつもりで仕入れました。私が嫌う重いトレモロユニットです(笑)。まあ草ネックではそんなこと全く問題外となりましたが。

で、ピックアップですよ。一応H-S-H配列をモチーフにしています。
と言うよりも、スリーシングルとツーハムの完全同居という誰も成し遂げることが出来なかったところに回答を出そうと。ま、単純に私自身がそういうギターを欲したということなんですが・・・

で、H-S-Hだと、シングルサウンドはオマケみたいなもんで、つまり一般的なハムバッカーのコイルタップでは納得できるシングルコイルサウンドは得られない。
かと言ってシングルコイルを二つ並べても(勿論逆磁逆巻で)欲するハムバッカーサウンドは得られない。というジレンマを解消しようと思いついたのがこれです。

シングルコイルにはビルローレンスのマイクロコイルを、そしてハムバッカーは・・・使ってません(笑)。
その代わり、強烈にレンジの広いレースのアルミトーンのシングルサイズを二つ、擬似ハムバッカーとして搭載したわけです。
これね、じゃあシングルサイズハムで良いんじゃ?と思うかもしれませんが、コイルが山ほど並列でぶら下がるのは良くありません。それがサウンドに影響するから「なんだかなー」って事になっちゃうんです。だったらコイルが無い物を・・・ってことでもあるわけですね。
で、ネック横にあるトグルスイッチでマイクロコイルモードとアルミトーンモードの切り替えをします。つまりこのスイッチ一つで二台のギターを切り替える感覚ですね。勿論アルミトーンとマグネットコイル式の従来のピックアップがミックスできないという理由もあります。
で、5Wayレバースイッチがマイクロコイル用、その下のトグルスイッチがアルミトーンのセレクターとなっていて、ボリュームとトーンは兼用です。
こうなると、アルミトーンがハムバッカーの代用として機能するか?ですね。これはもう主観の話ですから個人差はありますが、私個人としては「充分代用している」です。
勿論従来のフルサイズハムバッカーと同じというわけには行きません。構造が違いますから。
ただ、サウンドとしてはシングルサイズハムより無理なくフルサイズハムの代役たると思います。

しかーし。

これは草ネックで限界まで鳴ってるウォルナットボディーだから・・・だと思います。
まあこのアプローチはあくまでもシングルコイルサウンド重視であり、そのうえでハムバッカーの領域を如何に埋めるかなので、そういう方向性としては私個人的には納得できるレベルに達したと。
ただ、アルミトーンと草ネックの相性は抜群です。このギターでしか出ないトーンというものが特にクリーントーンやクランチで物凄く美味しい領域に存在します。これはフルサイズハムでは絶対に無理。

いやーどうしよう、このギターと全く同じ仕様で作ってくれ!って言われそうで(笑)。
いまやマイクロコイルは入手困難(納期が半年以上)、トレモロはディスコン・・・

まあ、草ネックは第二段が既に始動していますので、まあそちらのほうがより現実的でしょう。
ということでソリッドエレキの新境地である「草ネック」、超絶お勧めです!

PRS レストア開始!!

PRSギターの一ファンとして、今までギター製作やレストアにおいて独自に培ってきたノウハウを惜しみなく継ぎ込み、PRSユーザーが手放すことを考えない、「さあギターを弾こう」と思い立った時にいつも真っ先に手にしているような、いつまでも弾いていたくなるような、そういうギターに仕上げようとPRSのレストアに踏み出すことにしました。