PRS/Mark Tremonti SE レストア

PRS/SEレストア前とりあえずこんな状態でサルベージしました。
ぱっと見は大して問題は無いように見えますが・・・
因みに、これは現行モデルではないようですね、バードインレイじゃないですから。で、ペグはゴールドカラーのコンバットギターズのロゴ入りゴトー製に交換されてました。ブリッヂはオリジナル欠品でバダスコピーが付属でしたが、過去に試しに仕入れて結局使わなかったマッカーティータイプの2/3弦のみアジャストできるUSAウィルキンソン(韓国製)が残っていたので、弦を張って状態確認するために取り付けてみました。

PRS/SEレストア前ボディーまあ小傷はそれなりにありますが深刻な傷はありません。が、素人リフレットの際付いた擦り傷が目立ちます。フレットエッヂにスラントを入れる際に付いた傷ですね、養生しなかったのでしょう。
ピックアップはフロントが欠品。
エスカッションのビス穴は拡大するのに半田鏝で溶かしてありみすぼらしいことになってます。

PRS/SEレストア前ボディー裏裏は・・・結構派手に傷が付いてます。
バックルで部分的に塗装が剥がれたのでしょうか、タッチアップしたは良いけど塗料が少し垂れている箇所があります。
まあ、これに手をつけるとボディーバックは全面リフィニッシュとなりますから手をつけないことにします。コントロールのバックパネルの剥がしきれていないシールは完全に除去します。

PRS/SEレストア前フレットこの素人リフレットは最悪でした。弦を張ってみたものの、コードで全音まともに出るポジションは無し(笑)!
でもまあ、レスポンスは悪くないしレンジは狭いものの鳴り自体は良好。ネックは全く問題なし。
で、このレンジの狭さというのは常用域にしっかり収まっている。ただ、そこから下が出ないんですね。どーんとは来ない。若干腰高感がある。ただ、「そういう性格のギター」と割り切って使えるレベルで、もう少しコシがあれば・・・というところで、ピックアップキャビティーを若干かさ上げすることにしました。

PRS/SEレストアキャビティー加工早速。
見るも無残なフレットは真っ先に抜き去り、指板修正も終わっています。が、廉価版韓国生産にも拘らず、トラスロッドは本家と同じ仕様のダブルアクションが使われているのですね。ちょっとびっくり。流石PRS。
一般的なダブルアクションロッドはダブルロッドなんですね。指板側に角棒があって、その下にアジャスト用の丸棒が入っていて、後端は溶接されていてアジャスター側は角棒側から突き出た部位にネジを切った穴が開いており、そこに丸棒が入っている。ですから角棒に対して丸棒の長さが変化することでロッド自体が曲がるという構造のものが一般的。
しかしPRSの場合、ロッドは丸棒一本のみで、アジャスター側には順ネジ、後端には逆ネジのナットが付いていて、その間にあるロッドの埋め木が強固な圧縮合板で角棒の代わりをするという仕組み。
廉価版生産に既存のパーツではなく自社のロッドを使うという姿勢は素晴らしいと思います。

で、このタイプのロッドが仕込まれている場合、指板修正で響きの調整をすることがほとんど出来ないのです。そもそもシングルアクションとはロッドの構造が違うので、負荷のかけ具合を指板修正で云々するにはロッドの実行域が狭すぎるんですね。
まあ、今回はレスポンスは悪くないので荒れた指板を整えるだけに留めます。まあ素人リフレットは酷いもんで派手にチップは飛んでるわ指板に傷が残ってるわという惨憺たる状態でしたので。

8まあこのようにマホガニーで埋め木をしてるわけですが、今回はちょっと特殊なピックアップを搭載するためあまりかさ上げは出来ません。
フロントで5mm、リアで7mmかさ上げしています。

Laceアルミトーンで、搭載するピックアップはこれ。
フロントにアルミトーンハムバッカー、リアにアルミトーンデスバッカー。
http://www.lacemusic.com/Alumitone_Humbucker.php

http://www.lacemusic.com/Alumitone_Deathbucker.php

デスバッカーなんて凄いネーミングですが、単純に出力違いです。
以前、6弦ベースの試作機にアルミトーンを搭載したのですが、その時に「これは絶対ギターでも好結果が期待できる!」と感じておりましたので、まあ今回はあまり手を加える箇所の少ないギターですし、ならばピックアップでと。

で、完成画像の前にインプレッションしちゃいますが(笑)、既存のマグネットコイル式のピックアップってこんなにも拾っている情報量が少ないのか!ということがはっきり示される情報量の多さ!
そもそもこのピックアップにはコイルが存在しないので、信号がコイルの抵抗に左右されずにダイレクトに出力されるわけです。
あのね、マグネットコイルのピックアップは低域の情報がかなり損失しています。
先にも書いたとおり、このギターは若干腰高で低域は抑え気味。それなのに、マグネットコイルピックアップ搭載のギターに合わせたセッティングの機材でそのまま弾くとうるさいくらいに低域が出る。しかしブーストされたり味付けで強調されているということではないんですね。素直に出てくる。
つまり、本来の低音弦の音ってこれくらい低域が出てるもんなんですよ。まあ、このピックアップは聴覚上のパワーが結構ありますから、特にそう聞こえるということでもあります。
しかしながら、パワータイプのマグネットコイルピックアップは音が潰れますでしょ?パワーを得たぶんコンプレッションも強くなる。このピックアップはそういうことが一切無い!
全弦素直にがっつり立ってくるうえパワーがあるので、アンプの音量自体を少し下げてイコライジングも設定しなおす必要がある。が、そうしてやることで普通に弾ける。違和感の無いエレキギターのサウンド。
でも、激しく歪ませてテンションノートを足したコードを弾いても潰れない。全部の音がしっかり立ってくる。ギター二本でアンサンブルさせても、バッキングにまわってボリュームを少し下げても、音量はしっかり下がってるけどどんどん音が前に出る。でも邪魔にならない。

いやぁ、このピックアップはもっともっと評価されるべきですね。
確かにマグネットコイルピックアップ独特の「味」は一切ありませんから、好みとしては分かれるでしょう。しかし、クリーントーンでトーンを絞ればジャズでも相当美味しいサウンド。スプリット(マグネットコイルタイプで言うところのコイルタップ)でカッティングも可能。オーバードライブからハードディストーションまではっきり言って弱点になるような音作りは無い。
ただ、情報量がとにかく多いので、例えばカッティングをするときなどはペダルのイコライザを追加して低域と中域を少しカットできるようにしておくと良いでしょう。
いやほんと、これぞ引き算ですよ。ブースターなんて全く必要ありません。情報量が桁違いですから。イコライザやボリュームでカットした音を常用し、リード等のここぞという時はイコライザをOFFにしたりボリュームをフルにする。それだけで充分です。

PRS/SEレストアコントロールアッセンブリで、マスターボリュームと各ピックアップのトーン、トーンポットはプッシュ/プッシュのスイッチポット(本当はプッシュ/プッシュはお勧めしないんですが、コスト削減のため余剰パーツを使いました)で各ピックアップのスプリット、そしてお馴染みのチョークコイルを用いたローカットトーン。これだけで相当なサウンドバリエーションが使えるレベルで出せます。

PRS/SEレストア完成はい、ナットは象牙で新調し、フレットはジムダンロップ#6105にリフレット、ノブはかなりくたびれたゴールドのドームノブで完成!

PRS/SEレストア完成ボディーあ、エスカッションは新品に交換しています。指板サイドのボディーに付いたスクラッチは磨いて消してあります。

ということで、軽量で取り回しやすく、全く埋もれることの無い相当ハイレベルでメタラーからジャズフュージョンギタリストまでカバーできる万能なギター、¥50,000プラス消費税、付属してきたESPのソフトケース込みで販売いたします。
これは早い者勝ちです!!

 

 

PRS レストア開始!!

PRSギターの一ファンとして、今までギター製作やレストアにおいて独自に培ってきたノウハウを惜しみなく継ぎ込み、PRSユーザーが手放すことを考えない、「さあギターを弾こう」と思い立った時にいつも真っ先に手にしているような、いつまでも弾いていたくなるような、そういうギターに仕上げようとPRSのレストアに踏み出すことにしました。