オーダーメイドギター

ギターをオーダーメイドで作る理由

我々が一番接することの多い量産品である画一的かつ平均的に作られたギターに対して、個々のプレイヤーの特に音楽性やその好み、そしてプレイスタイルや操作性に合わせてプレイヤー個人専用のギターを製作することがオーダーメイドの本分です。
また、様々なギターと接するうちに既存のギターでは「ルックスは好みだけど仕様は別のギターのほうが良い」とか、「このギターとあのギター、二つの要素がなんとか1本のギターでまとまらないものか?」といったような不満や欲求が出てくるものです。
そして「既製品に無いのであればオーダーしよう」となるのです。

ギターをオーダーメイドで作るには

当方でオーダーメイドをする際、必ずせねばならないことが一つあります。それは「着地点」を明確にすること。
つまり「どんなギター/ベースにするか」ということであり、ギターやベースが楽器である以上、それは即ち「どういう音にするか」ということです。
例えば「〇〇というプレイヤー(バンド)の△△という曲のリズムプレイの音」といったような事柄でも方向性を指し示す道具になります。
しかし、重要なことは「他人の音はあくまで他人の音」であるということです。方向性としては理解できても、それは他人が弾いたプレイの音源でしかなく、それをプレイヤーとしてどういったフィルターで感じているかが一番重要なこととなります。つまり、具体例はあくまでも方向性の指示、そしてそれを掘り下げて表現することがプレイヤー独自の理解であり、そこが重要なのです。
つまり、あなたが目指す音、あなたが欲する音がどういう音であるかを分析して説明していただく必要があるということです。

兎にも角にもディスカッションから

なんだかどんどん敷居が高くなって行くようですが、実はそうでもないのです。
確かに「さあ説明したまえ!」と黙って腕組みをして聞くぞということではどこかの面接会場のような空気のようですが、そういう事では全くありません。「オーダーをしようかな?」と思ったらまずは相談です。
オーダーを受けるにあたり、作り手として私が欲するものはできるだけ多くの情報です。
「こういうギターが欲しいのだ」と私が問うまでもなく明確に説明できる人も居れば、いろんなイメージを抱えて「こんなギターがあれば最高だ!」と思っている人も居る。または「今使っている(今まで使ってきた)ギターに不満がありギターをオーダーしたいけど、何で不満なのかはよく解らない」という人も居ます。中には「基本的な仕様はこれだけ必須。あとはあんたに任せるよ!」という人も居ます。
この中で、どのパターンがNGかと言えば、NGなど無いのです。

明確に説明できる人でもギターの構造に関しては基本的に皆さん素人ですし、巷に溢れる情報を頭だけで理解して勝手に方程式を作り上げていることも多々あります。
いろんなイメージを盛り込んで「これが形になればスーパーギターの完成だ!」と思ってみても、現実的にはあれもこれもと詰め込むことは不可能だからこそいろんなタイプのギターが存在しているわけです。
ですから、こういったことを一つ一つ掘り下げて、個々がプレイヤーとして一番重要と考えている部分が具体的にどういうものなのかを探るお手伝いからがビルダーとしての私の仕事です。
ですから、まずはとにかく要望を搾り出して無茶であろうが何であろうがどんどんぶつけてください。
その中から無駄を省き、贅肉をそぎ落とし、ご希望の仕様と音のバランスが取れるところでまとめ上げるのが、実際に制作にとりかかるまでの作業ですので、納得のいくまでご相談にのり、細部にわたり説明いたします。

よく耳にするのが「オーダーは賭けだ」というフレーズです。
確かに現物を弾きくらべて判断することができませんので、その言葉は間違いではありません。
しかし、そういったフレーズを発する人が居る理由の多くは、並べ立てたスペックを二つ返事で製作されてしまった経験が情報として存在しているからであると思います。
とにかく徹底的に要望を出してもらい、矛盾点を洗い出し、デメリットとなる部分にはしっかりダメ出しをし、なぜ矛盾なのか、なぜデメリットたるのかを納得のいくまで説明することこそオーダーメイドの核であり、それがオーダーメイドでギターやベースという楽器を作るにあたり一番重要な作業なのです。
またプレイヤーと一緒になって掘り下げていくことはプレイヤーサイドの理解の穴埋めをすることでもありますから、理解が浅いからと言って断念する必要もないのです。
オーダーメイドギターに興味がある、オーダーメイドを考えているという方は、ご自身の知識の有無や深い浅いを問わずとにかく一度ご相談ください。納得のいくまで真摯に対応させていただきます。

共通認識の保有

とにかく要望を出していただき、それに対して納得のいくまで解説させていただくとしても、言葉や文章では果たして同じ感覚で理解されているのかはお互いに最後まで疑問となるところです。
ですので、直接お会いしてのご相談であればその場で私の作ったギターを弾いていただき、遠方からのご依頼であればオーダーの意思確認と身分証明証のコピーの送付にてプロトタイプの貸し出しも承っております。
もちろん私が作ったギターについては私が一番熟知しているわけですから、そのギターを基に「低域はもっと重いほうが良い」とか「もう少し中域に厚みが欲しい」といった具合に説明していただくことで、より明確に共通した認識を得ることが出来ます。
また、仕様についても「ネックグリップはもう少し薄いほうが良い」とか「◯弦の真下あたりの肉がもう少し落ちている方が弾きやすい」といった具体的な指示をしていただくことも可能となります。

ギター製作例

PRS レストア開始!!

PRSギターの一ファンとして、今までギター製作やレストアにおいて独自に培ってきたノウハウを惜しみなく継ぎ込み、PRSユーザーが手放すことを考えない、「さあギターを弾こう」と思い立った時にいつも真っ先に手にしているような、いつまでも弾いていたくなるような、そういうギターに仕上げようとPRSのレストアに踏み出すことにしました。